季節のお便り 91-110

 

 


 キレイな日本人 季節のお便り

  伝統美養塾 食卓和文化継承士 池田  泰子

日本に暮らす全ての日本が好きな方たちへ。

日本の風土に培われた知恵を、暮らしの中に取り入れてきた日本人。

その知恵がしなやかな日本の風習となり、力となり時代とともに文化として人に寄り添ってきました。

毎回、WEB上で大変な人気を呼んでいる、池田泰子リーダーの季節のお便り。

日本人として、変えてしまってはいけないものがきっとここにはあるはずです。

 

 

 

 


季節のお便り102

 

  お盆のお供え 〜

 

お盆をいかがお過ごしでしょうか?今では「迎え火」や「送り火」を焚く習慣や精霊流しもあまり見かけなくなりましたが、お盆のお供えをしてお墓参りに行かれる方は多いと思います。
お盆には様々な決まり事がありますが、大切なのは時期や内容ではなく、ご先祖様や故人に対して感謝の気持ちで接することだと思います。お盆休みには、綺麗な花や故人の好きだったものなどをお供えして、ご先祖様に感謝の気持ちや家族の近況をご報告してきてはいかがでしょうか。
今回は、お盆のお供えものについてご紹介いたします。
地域や宗派によって違いはあっても、お供え物はご先祖さまをおもてなしするもので感謝の気持ちをこめて、故人が好んでいた物などをそろえましょう。

基本は「五供(ごく)」と呼ばれる物です。

①香 : お線香や抹香といった「香」はお清めの役割と亡くなられた方が浄土で食す最も上等なものとされています。

②灯燭 (とうしょく) : ろうそくなど明かりには暗い煩悩を捨て去り、明るい悟りに至ることを讃える意味があります。

③花 : 本数は偶数は「割り切れる」ので故人との縁が切れてしまう事を連想させるため避けて、左右一対づつ奇数で揃えます。

④浄水 : お水やお茶をお供えします。浄水は私たちの心も浄化されるという意味もあります。

⑤飲食(おんじき) : 

飯椀には、ご飯を。

汁椀には、昆布や干し椎茸でお出汁をとったお味噌を。

高皿(猪口)には、お漬物や梅干しを。

平椀には、お野菜の煮物を。

壺椀には、お浸し・和え物・酢の物などを。

他におやつとしてお団子などを盛りつけます。
その他に

•ほうずき 

お盆に飾る提灯は、故人があの世から帰ってくる道しるべとなり、ほおずきはその色と形から自然界の提灯として飾られるようになりました。
お供えの農作物が不作の時には彩りの役割りとなり、仏さまは中が空洞になっている場所に身を宿すともいわれるそうです。

• 水の子 

洗ったお米ときゅうりとなすを細かく刻んだものを蓮の葉にのせたお供えものです。すべての霊に食べ物が行き届くようにという願いが込められています。

• キュウリとナスの乗り物 

ご先祖様にお迎えはキュウリの馬で一刻も早く家に着いていただき、帰りは足の遅い茄子の牛でゆっくりとしていただきたいという気持ちが込められています。

• 素麺 

細く長く幸せが続くように。ご先祖さまがお帰りに乗る精霊馬の手綱やお荷物を縛る紐に見立てて。お盆には先祖供養の他にも豊作祈願の意味合いもあり小麦が原料の素麺をお供えします。


季節のお便り101

 

  次の世代に伝えたいこと 〜

 

『季節のお便り』は、お陰さまで100回を迎えることができました。
このようなお話を始めるきっかけになりましたのは、愛娘を授かったことでした。
恵まれた平成の時代に育った娘は今春、ある節目を迎えまして、記念に母娘の写真を撮っていただきました。
親子で過ごせる時間は過ぎてみると、短いものです。
撮影中のおしゃべりはどちらからともなく、娘の子どもの頃の話題になり、家族で季節の設えや行事を楽しんだ思い出は、”かけがえのない親子の大切な宝物” と話してくれました。
それは私に何でも教えてくれた祖母との思い出でもあります。
祖母から母に、母から私に、私から娘に伝えられるしあわせを改めて感じました。

キレイな日本人プロジェクト代表の毛利涼子氏との出逢いは、早7年。
『季節のお便り』として、このように形に残せることができましたことに感謝しております。
当初、『キレイな日本人プロジェクト』のホームページにこのような文章を綴っております。

明治生まれの祖母に育てられた私は、「ありがたい」「おかげさまで」という感謝の心を教えられました。
和の暦、自然とのふれあい、昔ながらの風習 や言い伝えなどをテーマにした『季節のお便り』の投稿を通じて「私たちの世代が、次の世代に残せることをお伝えするメッセンジャーであり続けたいと思うのです。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

📷桜咲く季節に。



季節のお便り100

 

  鰻と梅干の食べ合わせ 〜

 

連日、暑い日が続いていますね!
本日は土用の丑の日。
鰻でスタミナをつけるのもよいのですが、土用は季節の変わり目。
消化器の働きに負担がかかりやすい季節なので、「食べ過ぎない」と「消化しやすい物」を意識しましょうね!
今日7月20日から8月7日の立秋の前日までの18日間が夏の土用です。

ところで鰻と梅干しは、昔から食べ合わせが良くないといわれて、避けていた方も多いのではないでしょうか?
しかし、これは本当なのでしょうか?
管理栄養士の娘に尋ねてみました。
食べ合わせの良し悪しについては、科学的根拠が乏しいものもあり、全てが正しいわけではないそうです。
鰻と梅干しの場合、医学的にも栄養学的にもなんの問題もないそうです。
300年以上前の貝原益軒の「養生訓」には梅干しではなく ”銀杏”。
富山の薬売りが全国を訪問する際に使った「食い合わせ」には ”鰻と酢”と書かれているそうです。
静岡の鰻割烹店がこちらで詳しく紹介さ れていました。
http://www.unasige.com/unagizatugaku-kuiawase1.html

では、なぜ、梅干しの言い伝えが生まれ今でも残っているのでしょうか。
冷蔵庫も無く衛生状況の整っていなかった時代、食中毒で命を落とす人も多く、梅干を一緒に食べると鰻がいたんだ時の酸味が分からでもあったようです。
他にも、梅干は唾液や胃酸の分泌を促し食欲を増進させるので、食べ過ぎにならないように。
また、高価な鰻をたくさん食べられるようになるので、贅沢を戒めるために生まれたのではないかと言われているようです。

本格的な夏は、まだこれから。
健やかな日々を過ごしましょう。

📷 大分県宇佐市の明治初期創業老舗の炭火焼の蒲焼です。



季節のお便り98

 

  さくらんぼ 〜

 

Early summer ruby
初夏のルビーと呼ばれる可愛いさくらんぼ♡
宝石みたいにキラキラしていて、さくらんぼの季節って楽しみですね。

ヨーロッパではローマ帝国時代の紀元前70年頃に栽培普及記録があったり、中国では3000年前には栽培されていたらしく、日本には江戸時の初めに清から 入ってきましたが気候に合わず、明治になるとアメリカやフランスから現在の品種の元が伝わり品種改良が進んだそうです。

美味しいだけでなく栄養面でも、カロリーは低く、ビタミンが豊富なだけでなく、リン・カルシウム・カリウム・鉄分などのミネラルがバランスよく含まれています。
黄色はカロテンで、アメリカンチェリーなどの赤紫色はアントシアニンです。

夏が旬の食べ物の多くは体を冷やす作用があると中医学や五行陰陽でいわれていますが、さくらんぼは温める食べ物に分類されています。
消化器系を整え、顔色を良くし、湿気を除き、めまいや月経異常にも良いとされています。

ついつい冷蔵庫に入れて保存したくなりますが冷暗所保存して、食べる時に水洗い後20〜30分冷蔵庫で冷やすか、氷水でさっと冷やしましょう。
冷蔵庫に入れる場合は、新聞紙などにパックごと包んで冷やしすぎないようにしましょう。
シャーベット状も美味しいので、洗って水分を切ってジッパー付き袋などで密閉してから冷凍してください。
デリケートな果物ですから、2〜3日中に食べきりましょう。



季節のお便り97

 

  梅雨の晴れ間は『五月晴れ』 〜

 

今週の九州は、昨日まで梅雨の晴れ間が続いて、たいへん心地よかったです。
「梅雨の晴れ間」「梅雨の合間に垣間見みられる晴天」のことを、実は『五月晴れ』といいます。

五月がつくので、新緑の風薫る5月をイメージしてしまいがちですね。
ゴールデンウィークにニュースで「さわやかな五月晴れ(さつきばれ)です。」と伝えたお天気おねえさんが、多くの視聴者から間違えを指摘されたと聞きました。
旧暦(陰暦)の5月は、今の新暦(陽暦)では約1カ月遅れの6月にあたります。
”陽暦五月の快晴を五月晴と言うのは、誤用” と明記してある歳時記もあるほどですが、近年では5月でも使われるようになり、国語辞典で ”五月の晴れに用いても良い” とされました。
この場合、「ごがつばれ」と読むことで区別するのが一般的になっているようです。

他に「五月(さつき)」のつくことばに
梅雨を指す「五月雨(さみだれ)」
梅雨時の厚い雲を表す「五月雲」
梅雨のころの夜の暗さを表す「五月闇」などがありますが、これらは今でも本来の意味で使われています。

”言葉とは時代に適応した使い方をされる生き物のようなもの”といわれ、使い方は時代によって変化していくものなので、柔軟にとらえるのが良いのかしれませんね。

梅雨の貴重な晴れ間『五月晴れ』の日には、窓を開いて家中に風を通したり、お布団を干したり、乾きにくい物を洗ったり、お散歩を楽しむのも素敵ですね!

📷
タチアオイ
大分県佐賀関の関崎灯台と紫陽花は、kenさんからお借りしました。
別府市北浜ヨットハーバー



季節のお便り96

 

  藤 〜

 

GWの後半全国各地で藤祭りが開催されているようですね。
淡い甘い香りに包まれて、昼は風にそよぐ壮麗な姿を、夜は幻想的な美しさを醸し出し、藤棚の下の池や川面にかすかに揺れて映る姿も見せてくれます。
古くは万葉の時代から親しまれてきた藤の花は、振り袖姿の女性に例えられたり、滝や雨の雫がしたたり落ちるような花房は風になびくさまを波に見立てて、
「藤浪」と呼ばれていました。

〜 色あひふかく 花房長く咲きたる藤の花 松にかかりたる 〜
清少納言の枕草子の中でこのように、男女の愛が詠われています。
日本では古くから、藤を女性に、松を男性にたとえ、これらを近くに植える習慣があったそうです。

藤は色の名称にもされ、藤色はとても高貴な位の高い人が身につける色とされた時代もあります。

長寿で繁殖力の強いめでたい植物とされる藤は、家紋にも使われています。
日本で最も栄えた藤原氏が下がり藤の紋でした。

またその逆に喪服の色とされ、麻布で作った喪服は「藤衣(ふじごろも)」と呼ばれたり、藤は「不治」と忌み嫌われた時代もありました。

つるには時計回りに巻くものと反時計周回りのものがあります。

右巻きの「野田藤(ノダフジ)」は、フジの名所である大阪市福島区野田の地名からとったものです。長いものは花房が60cmにもなります。

左巻きはヤマフジで花の長さは10〜20cmほどです。

花の見頃花の二週間ほど。今年は開花が早いようですが遅咲きのノダフジやヤマフジはもうしばらく楽しめそうですので、藤見にお出かけくださいね。



季節のお便り95

 

  春の食卓 〜蕗(ふき)の炊き合わせと若芽の酢の物

 

冬眠から覚めた熊が最初に食べると言われているものをご存じでしょうか?
蕗の薹(ふきのとう)です。
春は、冬の間に溜め込んだ様々なものを体外に排出しようとする働きが高まります。
そのお手伝いをしてくれるものの一つが山菜類です。
昔から「春には苦みを盛れ」ともいわれるように、抗酸化力の高いポリフェノールが豊富に含まれています。
苦みや香りのある蕗(ふき)・筍(たけのこ)・蓬(よもぎ)・野蒜(のびる)・タラの芽など春の山菜や野草を上手に食卓に取り入れましょう。

春に収穫時期を迎える若芽(わかめ)の約80%はアルギン酸と呼ばれる水溶性食物繊維で、残りはセルロースと呼ばれる不溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維は、腸内で水に溶けて不要なものを包み込み、体外に排出するデトックス効果があり、春にはぴったりの食材です。

お酢の酸味は気分を爽やかにして食欲を増進させたり、だ液分泌を促進して消化吸収を助ける効果があります。
お酢は素材の旨みを引き出し、味に奥行きを生み、塩味を引き立たせる働きがあるので減塩する為の魔法の調味料です。
お酢に含まれるクエン酸は、疲労物質の乳酸と結びつき疲労回復に。
また、アミノ酸の働きで血管が広がり血流が良くなり、血管でのコレステロールや血栓の発生を抑えるといった血管機能向上の働きがあります。
カルシウムやマグネシウムなど、体内に吸収されづらいミネラルと結びついて、吸収されやすい形に変える「キレート作用」もあります。

近くのハナミズキの並木が満開です。



季節のお便り94

 

Magnolia and Kobushi magnolia

  白木蓮(しろもくれん)と辛夷(こぶし) 〜

 

見分け方ご存知ですか?
上が白木蓮、下がコブシです。

どちらもモクレン科ハクモクレン亜属なので似ています。
原産地は、
・木蓮は中国
・コブシは日本原産
開花時期はどちらも3月初めから4月初めまでですが、辛夷が少し遅めです。

花の向きは、
・木蓮は上を向いて、
・コブシは花があちらこちらに向いています。

花の開き具合は、
・木蓮は花が閉じていて全開しません。
・コブシは、開きます。

花の大きさ
・木蓮は8~10cm。花びらの幅が広く、厚みがあります。
・コブシの方が小さく、大きさは4~5cm。花びらの幅が狭く薄い。

葉は、
・木蓮は、花の時期に葉がありません。
・コブシは花の付け根に葉が一枚ついています。
すべての花に葉が付いているとは限りません。

花弁の数
・木蓮は、9枚で丸みを帯びています。
・コブシが6枚でやや華奢で、大きさもコブシの方が小ぶりです。



季節のお便り93

 

さくら さくら 〜

 

日本人なら誰もが知っている「桜さくら弥生の空は~」で始まる歌のお話です。

JRの発車メドレーとして、山手線 駒込駅と中央線 武蔵小金井駅で使われてもいるようですね。

この歌は、日本古謡と表記される場合が多いのですが、この歌の歌詞の下地となったのは、江戸時代の国学者で「古事記伝」の著述に35年余り専心した本居宣長(もとおりのりなが)の和歌といわれています。
 「敷島の 大和心をひと問はば 朝日に匂う 山桜花」
「朝日」は日本を指し、「におう」は「美しい」「映える」の意で、桜の花
 は軍人が美しく散っていく様を表したといわれます。
満開に咲いた後は、見事なまでに散りゆく桜。
その潔さは、大和魂そのものとされたのでしょう。

歌詞の変化を時代を追って、ご覧ください。

     『さいた櫻』
(原曲とされる江戸時代の歌詞・作者不明)
子どものためのお箏(こと)の練習曲として書かれたものです。
  咲いた さくら
  花見て戻る 吉野はさくら
  竜田はもみじ 唐崎の松
  ときわときわ 深緑

       『櫻』
   (明治21年の歌詞)
東京音楽学校の「箏曲集」に掲載されました。
  さくら さくら
  野山も里も 見渡すかぎり
  霞か雲か 朝日ににおう
  さくら さくら 花ざかり

       『さくら』
   (昭和16年の歌詞)
太平洋戦争開戦となったこの年、国民学校音楽教科書の「うたのほん」で、改訂されました。
  さくら さくら
  弥生の空は 見渡すかぎり
  霞か雲か 匂いぞ出ずる
  いざや いざや 見にゆかん

現在は昭和の歌詞を1番にして、明治の歌詞を2番にとしていることが多いようです。
山田耕筰の二度の編曲を経て、日本を代表する歌として世界に広まりました。

琴や篠笛の調べにのせて、桜が魅せる多彩な風情が浮かんでくる曲ですね。

Japanese Folk Song #9: Cherry Blossoms (さくらさくら/Sakura Sakura)



季節のお便り92

 

袴姿で卒業式 〜

 

3月は卒業式の季節。
華やかで凛々しい袴姿の女の子たちを街角で毎日のように姿見かけます。
大正時代が舞台の漫画「ハイカラさんがとおる」の主人公 花村紅緒が袴をはいて自転車に乗り竹刀を振りまわすじゃじゃ馬娘ぶりと重なります。
今回は袴の歴史をお話いたしましょう。

袴のはじまりは以外にもとても古く、男性用の服装として古墳時代にさかのぼります。
奈良、平安時代には男性だけでなく宮廷に仕えていた女性たちが十二単の一部として身につけていたそうです。
江戸時代になっても階級によって定められた決まり事が多く、宮中の女官以外の女性は身につけることが許されませんでした。
今のように、女子学生が袴をはくようになったのは明治のはじめ頃で、女性の袴の普及に貢献したのが、下田歌子氏です。
「日本が一流の大国と成らん為には大衆女子教育こそが必要。」といって女性教育に一生を捧げた教育者です。
彼女は明治18年創立の華族女学校(学習院女子中高等科の前身)の教授であり、着物の不便さが女性の社会進出を妨げてはいけないと、宮内省で皇后に仕えていた経験を生かし、これまでの男性用袴とは違うプリーツスカート状に仕立てた動きやすい袴を考案しました。
色は当時未婚の女性の色とされていた濃色(こきいろ)をもとに、紫がかった赤色「海老茶色」として、全国へと広がっていきました。
その後、1899年(明治32年)には当時の女子の最高学府であった女子高等師範学校(現在のお茶の水女子大学)が袴を制服に採用し、女学生の袴姿は定着しました。
昭和に入ってからは洋服が普及したため、現代では卒業式に女子卒業生と女性教員が礼服として着用するようになりました。

📷は娘の卒業式の袴姿です。



季節のお便り91

 

十六団子

 

十六団子(じゅうろうだんご)をご存知でしょうか?
古より日本では「神去来(かみきょらい)」という伝承があり、山と田んぼを往き来する「農事の神」を大切におもてなししてきました。
春、種蒔きの始まる時期に山を下りて種をお届けくださる神をお迎えする3月16日と、秋、山に上がる神に収穫を感謝してお見送りする11月16日(地域によっては10月16日)に16個のお餅やお団子を作ってお供えするようになったそうです。

16個の数の始まりは、848年、疫病が大流行した時に仁明天皇が元号を嘉祥(かしょう)に改め、6月16日に16種類のお菓子やお餅を賀茂神社に供えて疫病除けをされた「嘉祥の儀」といわれています。
その後、室町時代になると節分の恵方巻きに似た「嘉定喰い(かんじょうぐい)」といわれる16個のお餅を無言で食べて無病息災を祈願するようになり、秀吉や家康もこの日にはたくさんのお菓子を重臣達に配っていたとか。
それが民間にも普及して、嘉祥通宝16枚(16文)で16個のお菓子を買って食べる風習へと変化したそうです。